初日、二晩目とチューブを入れた脇の痛み止めを就寝前に服用していたが、3晩目はもういいだろうと、薬をもらわなかった。
しかし脇腹に異物が入っている状態は、やっぱり慣れるという感じではない。
しかも寝返りが打てないので、同じ姿勢で一晩過ごさなければならない。
おまけに大部屋で、隣近所のいびきや咳、それに変な唸り声に、3時間後とのお小水の交換のための見回りと、結構周りが騒がしいこともあり、落ち着いて寝られる状況ではない。
こうなるとどうしても脇が気になってくる。
そんな夜を過ごしていると、寝不足の状態で朝を迎えてしまうのだ。
そんな3日目の朝、朝の検診に訪れた看護師が、脇のチューブの状態を見て「ありゃ?ズレてないか?」といやな言葉を一言。
チューブを装着したときにチューブと私の腹に3本の線を引いて、ズレをチェックしていたらしいのだが、チューブと腹の線がこの朝は、合わなかったのだ。
「ゲッ」という私を尻目に、看護師(唯一の男性看護師で、ガタイが大きいのだが、この人もまたピアスをしている)は、チューブの根元をグイグイと押して「外れてたら、もう一度やり直しだからね」とのたまうではないか。
昨晩痛み止めを飲まなかったので、ジンジンとした痛みがあったのは確か。
前夜、娘に着替えを手伝ってもらったときに、脇腹を伸ばしたことで痛みが増したのも事実。
そして何より、二日間なんともなかったのに、この朝はチューブに少量の血が流れ出たことも、不吉な予兆となっている。
看護師は、「朝のレントゲンの結果で、もう一度だよ~ん」と言い残して去っていってしまった。
こんな言葉を聴けば、検診から朝食、そしてレントゲン撮影までの時間のとにかく長いこと長いこと。
しかもなんとなく痛みが増しているようでもあり、朝出勤してきたほかの看護師さんもどれどれなんて、脇を見に来て、「う~ん。ズレてるかも?」なんていったり、「皮下気腫は起こしてないみたいかな」なんて事をいていく。
挙句には、ヘルパーのおばさんがさも気の毒そうに、「普通はおとなしくしてるもんだよ。階段は使わないこと」なんて言いにくるしまつ。
もう一度あの痛みを繰り返して挿管するなんて、考えただけでもぞっとする。
そしてもっといやだったのが、朝レントゲンを撮っていながら、院長回診は午後3時過ぎ。それまでビクビクしながら待っていなければならなかったのだ。
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さて、本題の院長回診。
レントゲンを事前に確認してきたのか、院長一言。「肺は順調jに膨らんできています。順調なのであさって(水曜日)には吸引やめてクランプかけて、木曜日のレントゲンで問題なければ、抜きましょう。」と。
ああ、ホントよかった。 当然のことながら胸をなでおろす。
あとで分かったことだが、それまでチューブの位置確認の時には、ベッドをやや起こしていた(チューブを通した時も、ベッドはやや起きていた)のだが、この日の朝はベッドが倒れていたのだ。
前夜の寝苦しさから、ベッドを起こしたり倒したりしていて、たまたま朝の検診のときに、ベッドが倒れていたために、腹が若干よじれていて、マジックのマーキングの位置がずれていたようだ。
しかしそれにしても憎きは、あの男性看護師。人を脅かすだけではなくて、よりによってチューブの根元をグリグリするなんて。
おかげで、まだジンジンと痛みがあるような感覚がしてるじゃないか。

